サクソフォン四重奏とサウンドトラックの為の"HEARTBREAKERS"(Jacob TV作曲)を、同じ奏者による多重録音とサウンドトラック、生演奏、実写映像を用いて行ったパフォーマンスである。サクソフォン3本分の音源の録音だけでなく、吹いている様子を3台のカメラで録画。それぞれのパートで3方向×4パートの計12方向からの映像を、生演奏に合わせて切り替える。同じ空間、同じ立ち位置で予め撮影を行うことから、空間的に一致させながらも時間を異にした擬似的なマシンガン撮影の映像を作り出した。本制作の目的は一人の奏者によるアンサンブルの新たな表現の可能性の追求である。多重録音と生演奏によるパフォーマンスは、カラオケのようなバックトラックに合わせて演奏している、いわばその場にいる身体・音のみが重視されるような印象を持たれがちである。本パフォーマンスでは実際にいる奏者と録画を織り交ぜながら視覚化することから、複数のパートによるアンサンブルと楽曲の持つ情動をより強く押し出し、多重録音と生演奏の新たな表現を目指した。
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